父
「仕事中、電話出れんとか?」
いきなり父はどうしたんだろ?
出れないコトも無いのだが...
自席が無く、社服のポケットも小さい為
仕事中は、スマホをソバに置いてないのだ。
マナーモードで音も切っているので、気付かないコトも多い。
父
「なら頭数に入れずに電話せんわ」
だから何の『頭数』さ?
『緊急連絡先』にしたいのだろうか?
でも何の?
一緒にいる母もピンときてない様子...
父
「俺達のどちらかが、家で倒れた時のよ」
.........はっ?
父は
ご近所の方がご自宅で倒れ...
それでも意識があり、何とか身体を動かせたので自力で病院まで行った話を始めた。
その方は『脳梗塞』だったとか...
大変だったんだな...
ん?
いやいやいやいや...
もしや...
例えば母が自宅で倒れた時に、病院まで運ぼうとしてる?
『頭数』て、母を運ぶ人数のコト?
父
「お母さん、倒れたんだけど!」
そんな電話をもらって、ダッシュで帰宅して、病院まで運ぶとか...
時間かかり過ぎるわっ!
すぐに、救急車呼びなさいよ!
動かしたら、更に悪化する場合もあるし。
父
「救急車呼ぶの、嫌がるし...」
母
「『あの時』は、意識があったから!」
私が実家出ている頃...
母は、立ち上がれないほど具合が悪くなって、父に病院に連れて行ってもらったらしい...
私
「『恥』とか思わずに、救急車呼んだ方が良いよ。
救急車呼んで落ち着いたら、電話かメールしてよね。」
父
「だから、せんて(しない)」
私
「運ぶ為じゃないわ!
入院の手続きやら、準備やらあるやろうし、そん時は早退するのよ!」
納得行かないのか、何度言っても『自力で運ぶ』つもりらしい父...
そして
母に、自分(父)が倒れたら、どうするのか聞いてみたり...
母
「救急車呼ぶか...
近所に助けを求めるわね」
そぅそぅ、父もそうしてくれ。
父
「電話(スマホ)出来るとか?」
スマホが使えず、持ってもいない母...
場合によっては、近くに固定電話が無い場合もある。
母
「電話出来るよう、『119番』を登録ししとけば良いじゃない」
......へ?
どゆコト?
母は登録してある番号なら、スマホからかけられるのか、それとも...
父に
倒れた時は自力で電話するよう言ってる...?
3桁の番号なんだし...
母がスマホの使い方、覚えれば...良いんじゃね?
何と言えば良いか、私が悩んでる間に
父が話題を変えていた...
父はさっきの母の返答に、納得したのかい???
父
「寝てる時に倒れてたら、どうする?
寝室、別々だし?」
母
「夜中に生きてるか、確認しに行くの?
寝てる間に死ぬ場合もあるし、その方が良い死に方かもしれないわよ」
うーん、一理ある...かも。
死を恐れている父と、なんか楽観的に見える母...
どちらが倒れても...心配だ...(色んな意味で)
仕事中も、電話取れるようにしとくべきか?
父
「俺、『脳ドック』受けてみるわ」
いつ倒れるか、心配しているよりも
健康診断受けるのが、1番安心かもしれない。