にゃんたのひとりごと

ただのひとりごとです

いらっしゃるぅ〜?

『ハタチになったら家を出なければ…』

何がキッカケだったのか覚えておりませんが、
小学生の頃からそんな考えを抱いておりました。

そして実行。
ハタチになった年に実家を出て、一人暮らしを始めました。

場所は友人とちょいちょい訪れていた地域で、
高校の頃に、ここら辺に住んでみたい
と決めておりました。

初めて住んだアパートは、ともかく家賃の安さ重視で選びました。

木造2階建ての古いアパート。
一階の角部屋の2K
お家賃、3万3千円(駐車場込み)

しばらく人が住んでいなかったみたいで…
室内も古く汚れていて、昭和感溢れておりました。
(畳の部屋でふすま、押し入れ付き)

住む前にリフォームして下さるという話もあり、
なぜだか自分もこの部屋が気に入って即決。

半月かけて、少しずつ荷物を運んだり、物を揃えたりして自力で引っ越し完了。

初めてのコトだらけで、不安で…
でも、なかなか楽しくて。

ご近所付き合いは深くはしておりませんでしたが、
穏やかで親切な方が多く…
挨拶ついでに、アレコレ気にかけて下さったり。

お向かいの家の方が、猫を何匹か飼っていらしたようで(当時は放し飼いが多かった)

大きな道から奥に入った場所だったので、知らない車が入ってくるコトもなく、猫ものびのびと暮らせる環境だったぽいです。

車から荷物を運び出していたら…いつの間にか車内に猫がいたり…

モモンガのように、いきなり猫が網戸に飛びついてきたり…

ゴムひもがついたボールでテニスの練習をしていたら、猫から見学されていたり…
ひもが切れて飛んでいったボールを猫がくわえて持って行ったり…(すぐに返してくれたケド)


なかなか楽しい日々でしたが、古いアパートならではの困ったコトも多々…

1階で木造だったせいか、虫が…
雨の日は、畳の隙間からナメクジ出てきたり…
ゴキブリも多かった…
台所の砂糖はアリのご馳走に…
そしてついに、アリの一家がタンスの上に置いていた鉢植えに引っ越してくるという…

お風呂場も窓しかなく、油断するとカビが発生するし…

台風の時は、1階なのに雨漏りし…
その後、柱にキノコ生えた…


元々、
『給料上がったら、イイトコに引っ越そう』
と始めから決めておりました。

色んなモノと闘いながらも、6年くらいだったかな?住み続けたのはやはり立地が良かったからですね。

徒歩圏内、チャリ圏内…
周囲にお店が揃っており、思い立ったらすぐ行けます。

通勤も単純な道順で済むし。


あと、宗教の勧誘しに来たお姉さんと仲良くなりました。


「仏教なんで…」

勧誘のお姉さん
「宗教に入らなくても、集会に来なくてもいいので…
話を聴いてください。」

お姉さんは毎月、厳選した神のお言葉やら逸話を玄関先で伝える活動?をされているようで…

聴いてみた。

お姉さん、感動…
「話を聴いてくれる人がいるなんて!」

…宗教団体関係で色々事件が多発していた時期だったからなぁ…色々苦労なさっていたのだろう。

それからお姉さんとは、毎月1回玄関先で世間話をした後、最後にオススメの神のお言葉を教えてもらい、笑顔で去っていくという不思議な関係に…

約束通りお姉さんは
宗教に入ってくれとも、集会に来てくれとも
1度も言いませんでした。

玄関先だけの関係でしたが…
私もお姉さんが来てくれるの楽しみにしていたのよね。
もう、顔も思い出せないケド…元気だといいな…


そういや
「県外から来たばかりで…
商品買わなくていいから、一緒に映画観に行きましょう!」
と、いきなり言ってきたセールスマンがいましたね。

一度きりでしたが…何だったんだろ??
しかも、観る映画も決めていました(笑)

よっぽど、映画観たかったのか…
とりあえず、映画も商品も断りました。


不便なコトも多く…でも楽しいコトも多かったアパートでの暮らし。

ある年、
隣の人が引越して空室になっていたのですが…
そこに大家さんが引越してきました。

上品なおばあさんという印象で、現役の頃は社長さんだったみたいです。

『大家さんだし、失礼のないようにしなきゃ!』
ドキドキしていたのですが、気さくな方でよく話しかけて下さいました。

ある日、女性の方が訪ねてきました。

実は大家さんは、痴呆が入っていると。
注意してあげて下さい。と…

女性の方は
痴呆の方を見守る団体?から来たそうで…

始めは、
大家さんはしっかりしているし、痴呆は軽いモノだろうと思っていました。

しかし、だんだんと…

玄関の前で困っていたので声をかけると

大家さん
「玄関が開かなくて…」


「鍵、無くされたんですか?」

大家さん
「鍵はここにあるのよ」

その鍵で玄関開きました。


別の日…

大家さん
「ランプが点かなくて…」

ランプ?ランプは使ったコトないケド…

とりあえず、ランプを見せてもらうと…
扇風機のコトでした。

スイッチ押したら回りました。


そんな感じで、時々お手伝いをしていました。


大家さん
「私は人脈が広くてね。多くのお見合いを成功させてきたのよ。
アナタにも、ステキな方を紹介したいわ」

そんな話を、よくしていました。
結局、その前に引っ越してしまいましたが…(笑)


引っ越しを決めた理由…
それは…

その頃、自分は夜勤をしていました。

部屋には、エアコンが無く…

けれども、角部屋で大きな窓が2箇所についており、
窓を開けてカーテンだけ閉めた状態でも、昼間寝るには支障はありませんでした。

しかし…

「いらっしゃるぅ〜?いらっしゃるぅ〜?」

大家さんが窓を叩いて訪ねてくる頻度が増えてきました。

夜勤なのに、昼間寝れません…

窓開けとかないと、暑くて寝れないし…
でも窓開けていると、大家さんが入って来そうだし…

そしてある日

大家さん
「これからは不動産屋ではなく、私がアパートの管理をするわ!」

と言い出しました…

アパートの修繕とか、不動産屋さんがアレコレやりくりしてやって下さっていたので…

もぅムリかも…

引っ越しを決意しました。


次の引っ越し先は、新築アパート!
というか、契約時はまだ建設中でした。

契約者一番目というコトで
部屋と駐車場は自由に選べました。

2階の角部屋(しかも隣は階段で独立した部屋)
1DK

お家賃、5万5千円(駐車場代別)

お風呂も自動でお湯張り、追い焚き機能付き

虫も出てきません。
カビないし、広いし、収納多いし!

かなりのグレードアップです。

お気に入りの部屋でしたが…
引っ越しして1年経たないウチに、県外に行くコトになり…また引っ越し。


どちらのアパートも引越し後、1度も行っていません。

最初のアパートは古かったので、もう残っているかどうか…

たまに気になるし、見に行けない距離でも無いのですが…
見に行ってどうするんだと自問自答(笑)


ある番組の特集を観ていて、気になったので検索はしちゃいました(笑)

『大島てる』さんの事故物件のサイト

だって自分が入居する時、全体的に景気よくリフォームしてくれたし…アパート名も変更した形跡があったし…

サイトには…載って…いませんでした。

まぁ、怪奇現象は起きなかったしね。

大家さんは、どうしているだろう…?

お年だったし…

でも、サイトに載っていないんだから、きっと…


いつかまた、引っ越しする日が来るのかな…?

自立しなきゃ…
でも、また一人は寂しいな…

そんな気持ちがせめぎ合っております。