にゃんたのひとりごと

ただのひとりごとです

愛猫が虹の橋を渡りました

『虹の橋を渡る』
そんな表現があるのですね。

最近、愛猫を看取った方々のブログなどを拝見させて頂いたのですが、美しい表現だと思いました。


本日、2020年11月27日 7時40分頃

愛猫アオが、虹の橋を渡りました。

14歳…そろそろ15歳になる頃だったのかもしれません。

アオは仔猫の頃、兄弟猫と共に道で保護されたそうです。

妹はその中のカギしっぽだった一匹をひきとり、美しい青色の瞳から『アオ』と名付けたそうです。

それからアオは、一緒に飼われていた『リュウ』と『リオン』と兄弟のように仲良く過ごしていました。

妹の県外移住にもついていき、何度も飛行機に乗る経験もしました。

それから、縁あって8年半前から私と一緒に暮らすようになりました。

初めは警戒心が強く、いつも他の猫の後ろにくっついている感じでした。

でもいつの間にか仲良くなり、他の家族にも懐いて皆、アオが大好きになりました。

そんな中、『猫の白血病』にかかっているのが判明したのが2年前…

アオが風邪をひいてしまって…
自力で食べなくなり、1週間入院したのですが回復せず…

給餌の仕方を習い、自宅で看取る覚悟で退院しました。

その時の血液検査で病名が判明しました。

家族で交代でアオに給餌し、約1ヶ月後…
自力でゴハンを食べてくれた時は涙が出るほど嬉しかったです。

しかし…
それ以来、アオは風邪の症状が残ったままとなり…
クシャミを多発したり、涙や鼻水、ヨダレが出ちゃったり… 

白血病で免疫力が落ちている為、治らない
とのコトでした。

それからアオは免疫力を上げる為、毎週注射を打ちに病院に通いました。

歯も弱くなっていき、大好きだったカニカマや三つ星グルメのカリカリが食べられなくなり…
でもその代わりにカルカンのスープや、ちゅーるが大好物になりました。

白血病でしたが、ずっと元気でした。
けれども、病名が判明した時に告知されました。

「余命2年です」と… 

だから後悔しないようにこの2年、やれるコトはやってきたつもりです。

アオにも毎日「大好き」だと伝えるようにしました。

夏くらいからだったでしょうか…
アオの体重がだんだんと減っていったのは…

昔は太り過ぎてダイエットが必要だった時もあったのに…

その頃はなんだかタヌキっぽいシルエットに
名字は『たぬきだ』が似合うのでは?
『たぬきだ アオ氏』
なんて冗談で呼んでいたコトもあります。


食欲はあるのに、どんどん痩せていくアオ。

体重を増やす為に、
色んなフードを試してみたり、
温めてみたり、
混ぜてみたり…
色々試しましたが、増える事はなかったです。


そして徐々に歩き方がひょっこひょっこするようになり…高い所に上がれなくなり…立ち上がれなくなりました。

そして、ゴハンと水を飲み込む回数も減っていき…
最後は体温が低かったです。


一昨日は、温める為に抱っこしたまま一緒に布団で眠りました。

寒い日は、よくこうやって寝ておりました。
途中でアオの方が暑くなって布団から出ていくコトが多かったですが…

一昨日は、出ていくコトはありませんでしたが、朝方に暑そうにしていたので、慌てて掛布団を外しました。

昨夜は、手足の先が冷たくなっていて…
胴体の方も体温が下がっているようでした。

前日の反省をふまえ、今度は掛布団の上にアオを乗せて眠りました。

位置は私の股の間です…
寝返り出来なくなるので、私はちとツライのですが(笑)アオはよく挟まって寝ておりました。

寝る前に水とちゅーるを与えると、少し多めに食べてくれました。

明日早く起きてゴハンをあげようと思い、いつもよりも早めに目覚ましをセットして眠りました。

しかし…起きたら7時20分
寝坊してしまいました。
目覚ましを止めた記憶もありません。

慌てて起き上がり、アオを見ました。

アオは、昨日の姿勢のまま、そこにいました。
身体も温かくなっています。

ただ…
開きっぱなしの目は黒一色で光がありません。

口も開きっぱなしで少し血が出ていました。
咳き込んだり、もがいた様子はなかったのでどこからの出血か分かりません。

そして、前日は息を深く吸っていたのに…
今は「ハッ…ハッ…」と短く浅い息になっていました。

慌てて鼻を確認しました。
アオはよく鼻を詰まらせていたので、起床時、帰宅後などチェックするようにしていました。

アオは鼻を拭かれるのを嫌がり、ティッシュを箱から出す音だけで逃げようとしたりしました。

次は、ぬるま湯を注射器で少し飲ませてみました。
前日は飲んだのに…反応がありませんでした。

病院に連れて行くべきか…
妹に連絡するべきか…

アオは、後ろ足を少しバタバタと動かしました。
今まで全く動かなかったのに…

あぁ…これか…
読ませて頂いたブログに
『愛猫が亡くなる前に、足をバタバタさせた』
そんな記述を何度か目にしました。

そこでようやく、もう逝ってしまうんだ…と思いました。

それから、伸びをするように前足をそろえて伸ばし…

息が「ハッ…ハッ…」と2回聴こえた所までは覚えています。

気付いたら息をしておりませんでした。

自分はその間、アオを撫でながら
「頑張ったね」
「今までありがとう」
「大好きだよ」
声をかけておりました。

アオの胸の辺りを触ってみました。
動いていませんでした。

アオの胸に耳をあててみました。
何も聴こえませんでした。

でも、まだ温かくて…肉球まで温かくて…

母が来ました。
「逝ったの?」


「多分…でもまだ温かい」

母がアオの胸に手を乗せ
「逝ったね」


覚悟していたとはいえ、もっと取り乱すと思っていました。

意外とナミダが出ないモノなんだな…自分。

時間は7時40分過ぎ
急げば仕事に間に合う時間

こんな時くらい、休んだっていいのでは?
1時間くらい遅刻したっていいのでは?

だってアオはまだ、温かい…
冷たくなるまで、そばにいたい…

でも…

寝坊すると、アオが起こしてくれていました。
アオは、ゴハンが欲しかっただけかもしれないケド…休日は勘弁して欲しかったな(笑)

起こす時間はだいたい7時半前後が多かったです。

だからきっと…

アオはきっと、私が起きるのを待っててくれたんだ。

そして、遅刻しない時間に逝った。

なんて都合が良いのだろう…
最期までアオに気を使わせちゃったのかな…

なんだか、このまま会社に行かないのは、アオの意思に反する気がして、出社するコトにしました。

母が「後はやっておく」と言ってくれたのですが…

どうしても最後まで自分でお世話したかったので、ネットで見た手順を思い出しながら、準備しました。

アオの身体を拭いてキレイにして
ダンボールを組み立てて
アオご愛用のひざ掛けを敷いて
アオを横たえて
アオの好きだったオモチャやゴハンを入れました。

本当はまだ、早いんだろうな…
だってまだ温かい…


「頑張ったね」


「一緒にいる時で良かったね」

家族が別れの挨拶に来てくれました。

状況を説明しようとして、声を出そうとして
ようやくナミダが出ました。


母にアオが冷たくなったら保冷剤を入れて欲しいと頼んで出社しました。

家を出る時、まだ温かくて、本当は寝ているだけなんじゃないかと思ってしまいました。


こんなに大事な家族を亡くしたのに
まだ温かったのに

なんで自分は今、仕事しているんだろう?

アオのそばにいるべきではないか?
大声で泣くべきではないか?

仕事中、時折そんな思いに駆られました。

アオの虚ろな黒い瞳が浮かんできました。

けれども何度考えても、あの時アオに仕事に行くように言われた気がして…

自分勝手な解釈かもしれないケド…
あのタイミングはそうだとしか思えなくて…


休み時間に妹にメールで報告しました。

昨夜、アオに負担をかけずに病院に連れて行く方法を話し合ったばかりでした。

きっと泣くんだろうな…
落ち込むんだろうなぁ…

妹からの返信は
『わかった
色々お世話してくれてありがとう』
でした。


帰宅すると、アオの前で妹が泣いていました。

そっと部屋を出ました。

御茶の間では夕食が始まっていました。

食卓には姉が買ってきた、デカイシュウマイやらなんやらが並んでおりました。

更に姉は、家族それぞれの好物を買ってきてくれていました。


「元気を出して」

私には、ハリボーのコーラとクマのグミ、ゆず茶でした。
ありがとう!マジで大好物(笑)


母は、アオに保冷剤と花を入れてくれていました。

そして布団やらなんやらを全部洗い…
アオのトイレやらお皿やらを片付けて…


「いや…49日とは言わないけれど…
アオのモノは今年の間はそのままにしとこうかと思ってたんだけど…」


「そのままにしていたら、ニオイがつくでしょ!?」

自分…アオのニオイに慣れすぎてあまり気にならなかったのですが…

確かにアオのヨダレやらなんやら…通称『アオ汁』の跡はスゴイ…洗濯しても落ちないし。

まぁ、いっか…
アオは気にしないだろう…

洗いたてのお布団も大好きだったし。


父は、ペットの火葬場を調べてくれていました。

妹と決めていた所があったのですが、下見に行ってくれたようで


「あんまり良くなかった」と。

代わりに、以前飼っていた愛犬ビックを火葬した所を勧めてくれました。


「明日も受け入れ大丈夫だし。
ビックもいるから安心。」と。

ビックとアオ…そんなに面識ないのでは?

妹の話によると、何度か会ったコトはあるそうです。

ビックは以前飼ってた愛猫チビと仲良しで、小屋をチビに取られて寒くて外で震えていたコトもあります。

そんな優しい犬でした。

火葬と遺骨をどうするかは任せると言われました。

散々悩んで、火葬場はビックと同じ所にしました。

遺骨は持ち帰って庭に埋めてあげたい。
大好きだった庭に。
外に出たがっていたし。

そうなると、今度は骨壷が必要です。

土に還る骨壷がいい。

土に還れば、また自然の中を巡るのだろう。

ネットで調べたら、珪藻土の骨壷がありました。

しかし…土日を挟むし…
すぐに届かないかも。

心配なのか、ちょいちょい様子を観に来る姉は、骨壷に悩む私を見て、呆れておりました。

だって、アオに贈る最後のモノだし…
到着が遅すぎると困るし…

なるべく早く発送してくれそうなショップに頼みました。


『生前からピラミッドを建設しておくと慌てないと実感したわ。
終活大事かも。』

まさか骨壷が必要なるとは思わなかったし。
売っている店が近くにあるかだけでも、見ておけば良かったかも…


『今から棺桶で寝て骨壷で顔を洗うか』

笑いました。
どこからそんな発想がくるのか。

それするくらいなら、自主制作で棺桶と骨壷作って備えるわ。


笑えるというコトは、冗談が言えるというコトは大丈夫でしょう。


妹も言っていました。
『してあげられることは、してあげた』と。

余命宣告を受けた時にはショックでしたが、それに備えて色々お世話するコトが出来たので良かったと思います。


大事なアオが亡くなって、今だってそこのダンボールの中にいるけれど…

こんな文章を長々と書いている自分…

大泣きしてない自分…

何なんでしょうね…ズレているのでしょうか?


朝、アオが起こしてくれないのが寂しい

帰宅した時に、アオが出迎えてくれないのが淋しい

布団を敷いたのに、アオが乗ってこない
その布団の軽さに落ち着きません


帰宅したら、きっとまたショックを受けるんだろうなと思っていました。

冷たくなったアオを見て、やっぱり逝ったのだと実感するのだろう。と。

触るとアオはやっぱり冷たくなって固まっていました。

けれども、毛はふわふわのままで、寝ているみたいで…
ずっと撫でていられるくらいふわふわのままで…


キリが無いですね。

姉がまた、心配して覗きに来ました。
もう寝ないと。

寝る前にもう一度、アオを撫でてきます。

虹の橋でもいいから、また会えるといいな…

でも、アオは寂しがり屋だから
待ってないでリュウちゃん達と遊んでいていいよ?